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運命に翻弄される恋。
その結末は、あまりにも切ない。
それでも彼らは、互いを求めずにはいられなかった。
iIllustration: Midjourney (AI-generated)
Music: HEM (Healing Erhu Music — human-performed)
東国の第一皇子として生まれた天龍は、裏切りと死の影に晒されながら生きてきた。 信じることができるのは自分だけ。歯向かう者は容赦なく斬り捨てる。 その残忍性から『暴鬼』と呼ばれ、誰からも恐れられていた。 この世界には、特別に神から愛される存在がいた。 白銀の雪の結晶のような印を額に持つ彼らは、人々から「神雫」と呼ばれて崇拝されていた。 東国には、翠麗という神雫がいた。 以前から神雫を疎ましく思っていた天龍は、ある日、翠麗を王宮に呼びつける。 それは、恐れ多くも翠麗を自分の毒味役にするというものだった。